electribe Sampler発売と、インプレッション

electribeSampler

electribeが発売してから早半年強、遂に、electribeSamplerが発売となりました。「初心者にはシンプルでわかりやすく、従来製品からのユーザーにはこれまで以上に触って楽しい製品を目指した、その後継機種となる新たなサンプラーが誕生しました。」かなり大きくでた売り文句ももう見飽きて、いい加減ブツを触ってみたかった皆様は、もうもちろん手に入れているものと思います。かくいう僕も色々走り回って金策を練った結果、どうにか手に入れる事が出来ました。Wiiのソフトやら、本やら、一杯売った。

ちょっと気になるあたりを重点的に操作してみましたので、ファーストインプレッションとかいう感じで、いくつか上げさせて貰います。

■サンプルの持ち方が特殊です
electribe2とと同じく、oscillatorで音色を選択するんだけど、その配置が独特です。

1~16  アナログシンセ
17,18  audio in
19~421 プリセットサンプル
501~999 ユーザーサンプル

プリセットサンプルは、初期出荷段階で既に入ってる音です。これらにはカテゴリも設定されていて、electribe2の時と同じく、shift押しながら選択する事で、kick、snare、clap…のように、カテゴリ単位で選択する事ができます。

カタログスペックにあるサンプリング容量の、『モノラル270秒』には、このプリセットサンプルも含まれているらしく、初期出荷段階ではメモリは99秒になってました。つまり99秒を超えて録音するには、その時間分プリセットを削除する必要が有ります。

ユーザーサンプルには、カテゴリは無いので、カテゴリ毎の設定は出来ません。でも、後述しますがslice設定されたサンプルの枝番は飛ばせます。
■ユーザーサンプリングはSDカードに保存されるスタイル
一番驚いたんですが、サンプリングについて読むと「ユーザーサンプルは電源を切ると消去される」「残したければSDカードにEXPORT ALL SAMPLEすること」とあります(ちょっと要約)つまり、SDカードを買わないと、自分で作った音を保存できないっていうこと。サンプリングがエクスポートされたSDカードが刺さっていれば、再起動時にそれをインポートします。

初期出荷段階で「EXPORT ALL SAMPLE」やってみましたが、SDカードに書き込み終わるまで1分強。できあがったファイルは16Mほどのオリジナルフォーマットファイル。って事は、初期出荷状態で入っているサンプル(500番以下のバンクに書きこまれている)もSDカードに書き出していますね。なのに、初期サンプルを消してエクスポートしないで再起動すると、プリセットサンプルが復活するかと思ったら、しない。謎い。

あ、パターンは今まで通り、WRITEを押して保存できます。

サンプルの整理はちょっと面倒で、①メニューからSAMPLE EDITを選ぶ。②削除するSAMPLEを選ぶ。③DELETE SAMPLEを選ぶ・・・っていう操作を、1個1個に対してやらなくちゃいけない。んー。PCから選んで削除する方法というか、エディタが欲しいですね。

■サンプルは好きな番号で保存できない?
これはひょっとしたら僕の勘違いかも知れないけど。サンプルの保存時に保存先を選択できないぽい。サンプル録音をやってみると、保存時に501番が表示されて、他への移動が出来ない。サンプルの上書きはできないのかー。

あと、録音した直後に好きな名前はつけられず。名前をつけたい場合は、録音・保存後に、sample editメニューからrenameで名前を変えられます。

■アナログシンセは16種類
SAW/PULSE/TRIANGLE/SINE/UNI-SAW/UNI-SQU/UNI-TRI/UNI-SINE/SYNC-SAW/SYNC-SQU/SYNC-TRI/SYNC-SINE/HPF-NOISE/LPF-NOISE/LOFI-NOISE/REZ-NOISE
単純オシレータ、ユニゾン、シンクロとノイズですね。種類は少ないですが、サンプラーとシンセが一台に入っているのはちょっと嬉しいですね。

■sliceした音を個別にパートに設定できる
electribe Sには、sliceって機能がありました、ちょっと言葉で説明するのがむつかしいですが、例えば、一小節分のループ音源を、8分とか16分の分解能でに分割して、その分割位置で発音させる。って機能。ableton liveにあるストレッチモードの『beat』みたいなもので、『持続音のない、ある程度音数を絞ったループ』であれば、Bpmを変えても綺麗に発音します。『タイムストレッチとは違うの?』違います。そこの説明は省きます。

このslice、サンプリングしたループに対して設定するんですが、分割した後の音をoscillatorで選択してみると、『501-1』と、枝番で分割後の音を個別に選択できる。これができると、たとえばすげえよく使うキックスネアハットを16分のタイミングで鳴らしてsliceすれば『音色のセット』として使うことができる。slice本来の使い方より、俺こっちのが便利そうな気がする。

■loopstartあります
パッと聞いて判らない人は多分使うこと無いと思いますが、loopstartありました!やった!ESXにあった機能で、シンセの音をサスティンで終わる様に切って、そのサスティン部分でループするように作成できる機能。これがあれば、どんな音でもかなりの精度でそのままサンプルシンセとして設定できる!!なんでこれマイクロサンプラーに入れなかったんだ!!!!!!(6個)正直この機能使ってるESX使いって聞いたこと無かったから、実装期待してなかったのでうれしい。

ただし、設定の難しさは相変わらずです。波形が見える訳じゃないので。

■タイムストレッチありません
『えー』って声が聞こえてきそうですが、loopサンプルをBpmが変わっても音程を変えない『タイムストレッチ』はありません。ESXにはあったのに。。歌声なんかはsliceでは速度を変えた時に、音程固定して綺麗に発音できない。音程が変わっても良ければ、再生速度を変えて再生出来ます。

まあ、abletonliveあるから、使いたいサンプルをabletonで好きな速さにストレッチしてからelectribeに読み込むことで対応は出来るかな。。
とりあえず、こんなところ、ちょっとループサンプリングの使い方が解らないっていうか、BPMに合わせてループするサンプルは無いのかも。

DETUNE渾身の意味不ゲー「心臓くん」推参

私が螢屋です。CBCラジオ「電磁マシマシ」が後2回で放送終了となりますが、その電マシ内で予告されていたiPhoneアプリ「心臓くん」がリリースされました。

単に、正しいタイミング(BPM)で心臓マッサージ(というテイでタップする)だけのゲーム。ちょっとやってみましたが、心音の「ドックン、ドックン、…」を聞いて、「ドッ」と「クン」がフラットなリズム(DAWにも依るけどswing率50%)になるように心掛けたらば、丁度よかったらしく、インジゲータが中央に入り、飛び跳ねもちょくちょく出てくれました。あと、iPhoneではヴァイブレータがぶるっ、ぶるっと振動します。これは慣れてきたら設定でオフにしたほうがタイミング取りやすかったですな。

英語名称は “Mr. Heart” …狙え世界市場。狙えあんぐりなんとかの次。そういや無料アプリで広告入るって話だったと思うんですが、確かに0円インストールだったものの今のところまだ広告は表示されていません。ちなみに放置して止まると心臓くんはあしたのジョーの如く燃え尽きます。そんなに古くないiOS端末(7.1以降/iPhone,iPad,iPod touch対応)お持ちの方はお試しあれ。

DETUNE公式ページ: 心臓くん / Mr. Heart for iPhone/iPad (無料 FREE)

サイモンガー・モバイル『ファンクで覚えるキーワード』完結

自称三人目のサイモンガーこと私が螢屋です。

幾多の名曲を生み出してきたサイモンガー・モバイル『ファンクで覚えるキーワード』が、掲載誌ならぬ掲載アプリ「さるプリ」のサービス終了に伴い、最終回を迎えています。

ファンクで覚えるキーワード「卒業」

サイモンガー・モバイルといえば、なんとも言えない(しかし誰にでもありそうな)ネタを歌詞に、絶妙なファンクサウンドに作り込み、KORG M01Dはじめモバイルガジェットを駆使し活動する夫婦漫才ファンクユニット。2014年には初のフルアルバム「モバイルファンクの頂点」をDetuneからリリース。そのアルバム収録トラックでも近年作曲のものの多くが、実は『ファンクで覚えるキーワード』を初出とし、その後ライブ活動を通じてブラッシュアップされ、最終的にレコーディングへ至るという経緯を経ています。つまり「さるプリ」無くして「モバイルファンクの頂点」は成立し得なかったと言っても過言ではありません。

完結編となった『ファンクで覚えるキーワード』最終回は数えてみると第36回目。月イチで丁度三年間、作詞作曲演奏録音、そして映像の撮影を続けてきたことになります。全36曲。「さるプリ」自体は5月末まで閲覧可能で、閲覧に必要な専用アプリはiOS版とAndroid版が出ています。『ファンクで覚えるキーワード』やその他のコンテンツ(さるプリで言う「ネタ」)の再生はチケット制ですが、確か初回は何回分かの無料チケットが付いていましたし、時折流れてくる共有リンクに先着で無料閲覧権が付くので、ちょっとみてみるのもいいかと思います。

サイモンガーさん、嫁モバイルさん、監督の小松さん、おつかれさまでした。

今日2/7(土)は渋谷でvolca女子のライブ

移動運用中ですが螢屋@綱島温泉です。

今日は若草レコードから昨年出たマキノユキさんのCD “WEEKEND” のRELEASE PARTY が渋谷でありますよ。

''WEEKEND'' release party

日時: 2015/2/7(土)
場所: 渋谷「DERORI」
告知: https://tackk.com/weekendparty

スケジュールには書いておきましたがこちらでもお知らせしておきます。では。

KAOSS PAD付きDJコントローラー/ミキサー「KAOSS-DJ」発売

kaosDJ

NAMM 2015で発表の続き。KAOSS PAD付きコントローラー/ミキサー「KAOSS-DJ」が発表されました。PCDJが主流になり始め、多くのメーカーが既に群雄割拠しているPCDJコントローラー業界に遂にKORGが殴り込みに入った形。殴り込むにはちょっと軽そうなその筐体は730g。PCDJ用のコントローラーとしてはかなり軽い部類では無いでしょうか。左右の縁に搭載されたLEDがレベルメーターになっています。チャンネルの音量をこれで調整している人にはちょっと距離があってつらいのは格好良さでカバーしてください。テンポを合わせるのに、ジョグコントローラーでなくタッチパッドというのも、慣れるまで大変かも知れませんが「軽さ」と「丈夫さ」のトレードオフと思いましょう。そもそも昨今、テンポはSYNC機能で事足りるので、スクラッチでもしない限りはあまり使いませんし。

KAOSSPAD部分は、まあ、いつも通り。当然、左右片方のデッキにだけかける事も可能です。面白いところだと、シンセプログラムにスケールがついています。もちろんキーも変更可能。miniKPにも無かったんじゃ無いかな?gateパターンは無いみたい。Seratoと連携して、サンプルを鳴らす事も可能です(タッチパッドモードの長押しが必要なので、反射的にならすのはちょっと難しいかも)

買ってすぐ楽しめる「Serato DJ Intro」も付属。もちろんIntroなので制限事項はありますが、制限事項を見る限り十分そうです。というのも

■少し痛いけど、上級者でも無い限りそんなに使わない機能
・デッキ数が少ない
・キューポイント数が少ない
・ループ拍が少ない
・サンプラー数が少ない

■初心者甘やかし機能(慣れたら要らない)
・再生デッキのロック
・トラック終了告知

■KAOSS-DJでカバーできる機能
・ブレイキング
・エフェクト数

■「Serato DJ 」買ってもKAOSS-DJを使うことで、制限されちゃう機能
・録音機能

とまあ、なんかほとんどKAOSS-DJでなんとかなりそうな感じ。

入力も2つもち、PCを介さずスタンドアロンとしても動作します!。もちろんジョグは使えませんが、タッチスライダーでフィルターをかけることができます。

弱点としては「横フェーダーOFFにできないのかな?」ぐらい。これだけ小さいと、「iPADとかで使いたい!」って要望がありそうなものですが、マニュアル見る限りは非対応です(そう、実はなんと、もうマニュアルが確認出来ます)。価格は噂レベルですが3万円前後。エフェクター付きとかんがえるとかなりお得な感じです。

「KAOSS-DJ」は2015年2月下旬発売予定、価格はオープン(噂:3万円)です。