公開時刻が0分丁度の時は基本的にタイマー仕掛けている私が螢屋です。今回はelectribeのテンポ同期とMIDI接続の話を少々。electribe/volca/monotribe間での同期の基礎知識ですが、最後にvolca/monotribe改造向けのネタも。
まずこれがelectribeのMIDI変換ケーブル。electribe側に挿すのが3.5mm径のTRSフォンプラグ、いわゆるステレオミニプラグで、ポータブルオーディオ用ヘッドホンのプラグ形状そのままです。他端がDIN 5pinのメス、MIDIコネクタの機器側になっていて、ここに通常のMIDIケーブルを挿すようになっています。electribeにはMIDI INとMIDI OUTがあるので、変換ケーブルも2本付いてきます。
なお、electribe同士をMIDI接続したい場合、electribeから通常のMIDIに変換してMIDIケーブル繋いで他端でまた変換してもう一方のelectribeへ、などとしてもいいんですが、ステレオミニ←→ステレオミニのケーブルで直接繋ぐこともできます。電磁マシマシのelectribe特集で正にそう接続されてました。
一方こちらはvolca付属の同期ケーブル。やや短かいですが、こちらもステレオミニ←→ステレオミニのケーブル。テンポ出しをする、いわゆるマスターになるvolcaのSYNC-OUTに繋ぎ、他端をテンポ受け、つまりスレーブになるvolcaのSYNC-INに挿します。スレーブのvolcaのSYNC-OUTにも、同期した結果のクロックが更に出ていますので、もう一台、更にもう一台とvolcaを繋いでスレーブを増やす、つまり数珠つなぎ(カスケード)が可能。
この仕様はmonotribeから受け継がれたもので、electribeでも同様にSYNC-INとSYNC-OUTが実装されています。よって、electribeとvolcaやmonotribeを混在させることも可能です。なお、各機種の同期設定を合わせておく必要があるので注意。敢えて違う設定にしてテンポ進行がズレるのを楽しむ手もあります。
デフォルトの設定では同期単位(SYNC UNIT)が「StpP.2」「2 Steps」、意味としてはSYNC端子を通る1パルスにつき2ステップ(16分音符2個分)シーケンサが動く設定になっています。もう一つ同期極性(SYNC POLARITY)がありますが、こちらは「Hi」、意味としてはパルスの立ち上がり(電圧がLowからHighへ上がる瞬間)でタイミングをとる設定がデフォルト。同期極性はelectribe,volca,monotribe以外と繋ぐ場合に変更が必要になるかもしれませんが、そうでなければHiにしておきましょう。同期単位の方は、先日のworkshopで話題に出た通り、実はSwing機能に関わる部分なのですが、ちょっとややこしいのでまた機会を改めて。
さて最後に、monotribeのMIDI改造やvolcaのMIDI OUT追加改造において、端子を本来のDIN 5ピンでなく、近年のiOS用MIDIインタフェースや今回のelectribeと同じく、ステレオミニのジャックとする作例が増えています。これは、DIN 5ピンの大きさでは筐体に取り付けるスペースがない、あるいは穴あけ加工が大変といった事情から、より小さく、かつiOS用機器で先例があるステレオミニジャックを採用するものです。その結線については統一されていません。ただ、monotribeやvolcaのユーザであれば、electribeも持っている、あるいはセッション相手がelectribeを持ち込んでくることもあるでしょう。そこで、結線をelectribeに合わせておけば、先ほどのelectribe同士のMIDI接続のように、ステレオミニのケーブル1本でMIDI接続できることになります。
というわけで前置きが長くなりましたが、electribe付属MIDI変換ケーブルの結線をテスター当てて調べました。写真とテキストで乗せておきます。
electribe2 MIDI break-out connection:
1. Stereo-Mini, Tip: DIN pin4
2. Stereo-Mini, Ring: DIN pin5
3. Stereo-Mini, Sleeve: DIN pin2 and Frame Ground
DIN端子のピン番号ってなんで位置飛んでるんですかねー。後からピン足したとかか?
まあここまで書いて自分のvolcaはまだMIDI改造してないんですけどね。monotribeの方はいきなりUSB端子出しちゃったし…。では。